①相続・遺産分割の解決事例1-相続放棄
②相続・遺産分割の解決事例2-遺産分割協議
③相続・遺産分割の解決事例3-遺産分割協議書の作成
④相続・遺産分割の解決事例4-遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)
⑤相続・遺産分割の解決事例5-相続登記漏れの土地の登記

相続は、予期していない時に突然やってきます。また、ほとんどの人にとって、相続は人生で初めてという場合が多いのです。そのため、多くの方が準備不足、知識不足で、どう対応したらいいのかわかりません。まず、被相続人に多額の借金があったというような場合には、3ケ月以内に相続放棄手続を取らないといけません。相続をすると決めた場合には、遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成し、押印するところまでやらないといけません。それでも、遺産分割方法が、ある相続人の遺留分を侵害していたということがわかれば、遺留分侵害額請求が起こされることがあります。また、遺産分割がちゃんと行われておらず、相続したはずの土地の登記未了などという場合もあります。

①相続・遺産分割の解決事例1-相続放棄

クライアントから、父親が死亡したが、父親が経営していた会社が債務超過で、父親はその債務を連帯保証していたので、相続放棄をしたいという相談があり、当事務所の弁護士が引き受けることになりました。

弁護士は、まずクライアントに対して、相続放棄の可能性があるなら、父親の預金等には手をつけないようにアドバイスしました。それから、弁護士は、父親の生まれてから亡くなるまでの戸籍を取り寄せ、相続人を確認しました。同時に、クライアントへは、父親の死亡時の財産の一覧(負債も含めて)を作成するようにお願いしました。

相続人は妻とクライアント、クライアントの姉の3名で確定できました。財産一覧についても、プラスの財産は預金1000万円だけで、会社の債務に対する連帯保証は1億を超えていることがわかりました。

弁護士は相続放棄の申述書を作成して、家庭裁判所へ提出し、相続放棄は受理されました。

②相続・遺産分割の解決事例2-遺産分割協議

クライアントの父が亡くなり、母と娘2名が残された。クライアントは姉で結婚して他の場所に住んでいた。妹は以前結婚していた夫が父の70坪の土地の上に2世帯住宅を立て、離婚時にそれを財産分与で取得していたので、住宅の2階部分の所有権を持っていた。妹から姉に連絡が入り、土地はすべて母に相続させ、現金を姉と妹で2分の1ずつに分けたいと言ってきたので、姉は自分の法定相続分の取得が困難になるのではないかと危惧し、当事務所の弁護士に依頼してきた。

弁護士が、クライアントに亡父の遺産の内容について説明を求めると、遺産は自宅の土地100%と家屋の1階部分、それに預金が1500万円ということであった。土地の時価は坪あたり100万円もする場所で、面積は70坪の土地であったので、土地だけで7000万円の評価があるという。さらに、1階部分の家屋が1000万円、預金が2000万円とすれば、遺産の時価は総額で1億円になるという。法定相続分に従えば、母が5000万円、姉と妹がそれぞれ2500万円となるが、預金が2000万円しかないので、これをクライアントが全額もらっても、相続分に足りないことである。残りの500万円の支払いを求めるとしても、母にも妹にも現金がないので支払うことはできない。

クライアントは、もし母が預金を相続したいというなら、亡父の相続では、一定額の預金と土地の相続で我慢してもよいが、母が亡くなった時には、その財産の2分の1を何としても確保したいという意向を持っていた。

そこで、当事務所の弁護士は、母から預金を1000万円相続したいという意向を聞き、それを尊重して、クライアントが預金1000万円と土地1500万円相当を取得することでどうかと聞いたところ、土地をもらっても住むことはできないので意味がないが、仕方がないということでクライアントの同意を得た。この案を母と妹に提案したところ、それでよいというので、母が預金1000万円と土地4000万円相当、クライアントが預金1000万円と土地1500万円相当、妹が建物と土地1500万円相当を相続するという遺産分割協議書を作成した。

これで一段落ではあるが、問題はこれから母が亡くなるまでの間に妹が母に遺言を作成させ、土地を全部妹に相続させると書かせてしまわないかである。また、遺言書を作成しなかったとしても、母の財産を分割した後、クライアントは再び土地の共有持分を取得することになるが、妹に代償金を支払う現金はないと思われるので、その時に土地を売却させることができるかである。

弁護士は、将来に向けて様々な問題が残されていることをクライアントに説明し、これからは、できるだけ頻繁に母を訪問して決して遺言を作成しないようにすること、妹との人間関係も再構築しておくべきであるとアドバイスした。

③相続・遺産分割の解決事例3-遺産分割協議書の作成

父が亡くなり、母とその子A、B2名及び前婚の子Cが相続人となった。当事務所の弁護士は、Aから遺産分割協議書を作成してほしいという依頼を受けた。Aは、Cとは面識もないことから、弁護士から連絡を行い、穏便に法定相続分を分け与えることで決着してほしいということであった。そこで、弁護士は戸籍の附票からCの住所を見つけ、そこに亡夫の遺産を法定相続分に従って分けたいので、連絡をしてもらいたいという通知を送った。数週間経過後にCから返答が来て、まずは遺産の内容を開示して欲しいということであったので、自宅と預金からなる財産目録を送付した。亡夫は都心の一等地に自宅を所有していたので、その評価は1億5000万円、預金は5000万円であったので、増額2億円であった。弁護士は、財産目録送付時に、Cの法定相続分は3333万円であるので、その金額をCの相続分としたい旨を書いて送った。一度Cから自宅の評価が低すぎるのではないかという質問が来たが、近隣の売買取引の成約事例を送ったところ、Cに納得してもらえた。弁護士は遺産分割協議書を作成し、母と子A,B、Cの押印をもらうことができ、遺産分割協議が終了した。

④相続・遺産分割の解決事例4-遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)

クライアントは3人兄弟の長男で、父の興した会社を次いでいましたが、数年前から父との間が険悪となり、父との関係は壊れていました。そんな中で、母親が亡くなりました。クライアントは葬儀にも出席できず、父と妹2名で葬儀は執り行われてしまいました。その後、遺言執行者の弁護士から連絡があり、母の遺言で長男には何も相続させないことになっているとの連絡を受けました。そこで、長男は、当事務所の弁護士に依頼し、遺留分減殺請求調停を提起することになりました。

長男が6分の1の遺留分を有することについては、相続人間に争いはなく、母親が持っていたものは、預金と有価証券だけでしたので、評価で争いが起こることもなく、6分の1の金額が長男に分け与えられることになりました。

⑤相続・遺産分割の解決事例5-相続登記漏れの土地の登記

80歳のクライアントから、自分が固定資産税を負担してきたが、父の所有していた土地の相続登記がなされておらず、未だに父名義になっているので、売るに売れない状態になって困っているという相談が当事務所の弁護士にありました。

弁護士が一族の構成をクライアントに確認してみると、クライアントの兄弟(父の子)が5名。その5名の子は、1名を除き存命。亡くなった1名の子は結婚し、3名の子を設け、すべて存命という報告を受け取った。また、親戚中もいいので、クライアント以外の人にこの土地の相続をしないことにしてもらうことに問題はないということであった。弁護士は、その通りであれば、それ程面倒にならずに、相続手続きが行えると考え、登記手続きを進めることにした。

ところが、父の出生から死亡までの戸籍を取り寄せたところ、クライアントの母と結婚する前に、別の女性と2名の子を創っていたことが判明した。そこで、弁護士が、その2名の子に連絡を取り、その土地の相続をしないでもらいたい旨を連絡したところ、その土地の時価はいくらか、自分の取り分はいくらになるのかと問い詰められることになった。

そこで、クライアントがその土地を取得する代わりに、この2名の子には、代償金を支払うことで決着し、遺産分割協議書を作成し、相続人全員から印鑑を取得した。こうして登記が終わり、クライアントはこの土地の売却に成功した。