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監修者:植田 統 弁護士(第一東京弁護士会)
青山東京法律事務所 代表
東大法学部卒、ダートマス大学MBA。東京銀行、ブーズ・アレン、アリックスパートナーズ等で経営戦略や企業再生の要職を歴任。現在は青山東京法律事務所代表として、約40社の顧問弁護士を務める。豊富なビジネス経験を武器に、高度な企業法務や事業承継を完遂する実務派弁護士。

会社で嫌がらせを受けた際、「どこへ相談すればいいの?」「どう対処すればいいのかわからない……」と一人で悩んではいませんか。対処しないままでいると、心身の不調を招いたり、不本意な退職につながったりするおそれがあります。

状況を改善するには、一人で悩まず、適切な相談窓口に対応を求めることが大切です。

そこで本記事では、会社で嫌がらせを受けた際の相談先や、適切な対処法について詳しく解説します。

会社で起こる嫌がらせの例

まずは、会社で起こる嫌がらせの例について見ていきましょう。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

【会社で起こる嫌がらせの例】

  • 暴言・嫌み
  • 無視・隔離
  • 過大・過小な要求
  • 責任転嫁
  • プライベートへの干渉

暴言・嫌み

暴言や嫌みなどの言葉を使った精神的な攻撃は、自尊心を深く傷つける悪質な行為です。仕事のミスに対して人格を否定するような発言をしたり、必要以上に叱責したりする行為は、嫌がらせやいじめに該当する可能性があります。

また、陰口をたたく、根も葉もない噂を広めるといった行為も嫌がらせの一つです。

無視・隔離

特定の人物を孤立させて社内での居場所を奪う行為は、証拠が残りにくい陰湿な嫌がらせの例といえます。具体的には、「あいさつや会話を無視する」「物理的に隔離する」「社内イベントに一人だけ呼ばない」などが挙げられます。

過大・過小な要求

個人の能力に見合わない業務を命じることは、被害者の仕事への意欲を意図的に失わせる嫌がらせに該当する行為です。

定時内では到底終わらない量の仕事を与えられたり、携わったことのない業務をサポートなしで丸投げされたりしている場合は、嫌がらせを受けている可能性があります。また、「仕事を全く与えられない」「関係のない仕事を命じられる」などの行為も、嫌がらせに該当します。

責任転嫁

仕事上の失敗の責任を押しつけるといった行為も、嫌がらせの一つです。たとえば、自身のミスにもかかわらず、生じたトラブルの原因がほかの社員にあると周囲へ吹聴したり、誤った指示を部下の認識不足と見なしたりする行為が挙げられます。

プライベートへの干渉

私生活について執拗(しつよう)に詮索したり、干渉したりすることも嫌がらせに該当します。例として、パートナーの有無や休日の過ごし方をしつこく聞いたり、個人情報を周囲へ言いふらしたりするなどが挙げられます。

会社で嫌がらせを受けた際の相談窓口

会社での嫌がらせにお悩みの方は、以下の窓口で相談できます。

【会社で嫌がらせを受けた際の相談窓口】

  • 社内の相談窓口
  • 総合労働相談コーナー
  • 法律事務所
  • みんなの人権110番
  • こころの耳
  • 法テラス

社内の相談窓口

会社での嫌がらせに悩んでいる場合は、まず社内の相談窓口の利用を検討してみましょう。労働施策総合推進法により、すべての事業主には、暴言・嫌みや責任転嫁をはじめとする社内でのパワーハラスメントに対処するための、相談体制の整備が義務づけられています。

相談することで、再発防止や加害者に対する指導・処分といった対応が期待できます。

総合労働相談コーナー

総合労働相談コーナーは、全国の労働局や労働基準監督署内に設置されている無料の相談窓口です。嫌がらせをはじめとする会社でのトラブルに関する相談を受けつけており、解決に向けた情報提供を行っています。予約は不要で、電話もしくは対面で専門の相談員に相談することが可能です。

このほか、手続きを行うことで、労働局長による会社への助言・指導や、あっせんなどの対応も期待できます。ただし、これらの対応自体に法的な強制力がないため、必ずしも解決に至るとは限りません。

法律事務所

会社で受けた嫌がらせを根本的に解決したい場合の相談窓口としては、法律事務所がおすすめです。依頼すれば、弁護士が法的な観点で、環境改善の要求についての話し合いを進めてくれるため、会社側にも交渉に応じてもらいやすくなります。法的な手続きを通じて、慰謝料の請求を検討できる場合もあります。

なお、法律事務所によっては、相談費用がかかる点に注意しておかなければなりません。なかには無料で相談できるところもあるので、どのように対処すべきかを判断するためにも、まずは無料相談窓口を設けている法律事務所に相談してみるのがおすすめです。

みんなの人権110番

みんなの人権110番は、法務局が運営する人権擁護を目的とした相談窓口です。会社での嫌がらせに関する相談に応じてもらえます。

無料の電話相談窓口となっており、法務局職員または人権擁護委員が相談に応じたうえで、助言を行ってくれます。救済の申し出があった場合は、人権侵犯事件として調査し、必要に応じて説示・勧告や要請などの救済措置を講じる場合があります。法的な強制力はありませんが、国の機関が主導しているため、会社の自主的な改善が期待できます。

なお、慰謝料の請求をはじめとする法的な手続きを検討する場合は、ほかの窓口へ相談するのが適しています。

こころの耳

厚生労働省が運営するこころの耳は、労働者の心の健康をサポートするためのポータルサイトです。電話やメール、SNSで利用できる無料相談窓口が設けられており、仕事の悩みについて気軽に相談できるようになっています。

しかし、こころの耳は相談を主眼に置いているため、会社で受けている嫌がらせを根本的に解決する相談窓口とはなりえません。

参照元:こころの耳

法テラス

法律事務所への相談を希望しているものの、「費用が気になる……」という方は、法テラスがよいでしょう。

法テラスは、収入や資産が一定基準以下の方に向けて法律に関する無料相談を行っています。条件を満たせば、会社での嫌がらせについて、弁護士に無料で相談できます。同一の問題につき3回まで無料で相談できるうえ、正式に依頼する場合にも、一定の条件を満たすことで着手金を法テラスに立て替えてもらい、分割で返済することも可能です。

ただし、弁護士をご自身で選べないため、相談できる弁護士が必ずしも会社での嫌がらせに関する実績を持っているとは限らない点に注意が必要です。

参照元:法テラス

会社で嫌がらせを受けたときの対処法

ここまで、会社で嫌がらせを受けたときに相談できる窓口を紹介してきました。問題の根本的な解決や慰謝料の請求など、目的ごとに適した窓口へ相談すれば、状況を改善するきっかけとなるでしょう。

しかし、会社で嫌がらせを受けている状況では、精神的な苦痛から「どうしたらいいかわからない……」と悩みつづけてしまう方も少なくありません。このような場合は、以下の流れを参考にしてみてください。

【会社で嫌がらせを受けたときの対処法】

  • 状況を整理する
  • 証拠を集める
  • 適切な窓口へ相談する
  • メンタルケアを行う

状況を整理する

まずは、状況の整理から始めていきましょう。窓口へ相談する際は、以下のような情報を整理したうえでメモに書き留めておくと、相談員や弁護士にご自身の状況がきちんと伝わり、適切な対応を検討しやすくなります。

【状況を整理する際に書き留めておくべき内容】

  • 誰から嫌がらせを受けたか:加害者の名前や部署
  • いつから嫌がらせを受けているのか:時期や頻度
  • どのような嫌がらせを受けたのか:具体的な嫌がらせの内容
  • 嫌がらせを受けて自身がどのような状況になったのか:体調や仕事の変化
  • 今後どのようにしたいか:嫌がらせを止めたい、慰謝料を請求したいなど

このように、あらかじめ状況を整理しておくことは、適切な相談先を選ぶ際にも役立ちます。

証拠を集める

ご自身が置かれている状況を整理したあとは、会社で嫌がらせを受けたことがわかる客観的な証拠を用意しましょう。以下のような証拠を提示することで、相談先が状況を把握し、必要な対応を検討しやすくなります。

【集める証拠の具体例】

  • 嫌がらせを受けたことが確認できる音声や動画のデータ
  • メールやチャットのスクリーンショット
  • 嫌がらせを受けた日時や具体的な内容を記録したメモ
  • 嫌がらせが原因で患った病気の診断書

相談先に何らかの対応を求める際は、可能な限り多くの証拠を集めておくことが大切です。

適切な窓口へ相談する

状況を整理して証拠を集めたら、希望する解決方法に応じて相談先を選ぶことが大切です。加害者への注意や指導を通じて嫌がらせを止めたい方は、社内の相談窓口を利用するとよいでしょう。会社に対する助言や指導を求める場合は、総合労働相談コーナーが相談先の候補となります。

慰謝料の請求をはじめとする法的な手続きを検討するのであれば、法律事務所や法テラスへ相談するのが適しています。

メンタルケアを行う

会社での嫌がらせに対処する際は、心身に大きな負担がかかるものです。問題解決に向けて動くことも大切ですが、心の健康維持に努めることも忘れてはなりません。

ときには、趣味を楽しんだり、家族や友人と時間を過ごしたりするなど、会社のことを忘れてご自身の心を休ませる時間もきちんと確保しましょう。心身の不調を覚える場合には、必要に応じてカウンセリングを受けたり、心療内科を受診したりするのも選択肢の一つです。心身の状態を整えることで、今後取るべき対応について落ち着いて考えやすくなります。

法律事務所に相談するメリット

社内の相談窓口や総合労働相談コーナーへ相談することで、会社で受けている嫌がらせを解決できる可能性があります。とはいえ、対応の不足や権限上の限界から、「根本的な解決には至らなかった」というケースも少なくありません。

このような場合は、法律事務所へ相談するのがよいでしょう。精神的な負担を抱えている場合でも、法的な問題への対処を通じて、問題の解決に向けたサポートを受けられます。

具体的なメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

【法律事務所に相談するメリット】

  • 法律の観点でアドバイスをもらえる
  • 自身が置かれている状況を法的な観点で分析してもらえる
  • 法的な手続きを弁護士に一任できる

法律の観点でアドバイスをもらえる

法律事務所へ相談すれば、法律の観点で具体的なアドバイスをもらうことができます。「法的な手続きを検討したい」という場合には、どのような順序で対応すべきかを助言してもらえます。

また、集めた証拠が有効かどうかも判断してもらえるため、法的な手続きを検討している場合は、弁護士の助言を参考に準備を進めてみるのもよいでしょう。

自身が置かれている状況を法的な観点で分析してもらえる

法律事務所へ相談することで、ご自身の状況を法的な観点で分析してもらえます。特に、慰謝料を請求する場合は「○○のような場合に○○円の慰謝料を請求できる」と具体的に決められているわけではないため、過去の裁判例を参考にすることがあります。

過去の裁判例でご自身の状況と類似するケースが見つかれば、それを参考に法的な手続きへ移行すべきかどうかを判断することが可能です。

法的な手続きを弁護士に一任できる

法的な手続きを一任できる点も、法律事務所へ相談するメリットの一つです。正式に依頼すれば、弁護士に代理人として対応してもらうことができ、会社との交渉や慰謝料の請求などの手続きもご自身の負担を抑えながら進められます。

もちろん、制度上はこれらの手続きをご自身で行うこともできますが、書面の作成や法的根拠の提示には専門知識を要します。そのため、法的な手続きを検討している場合は、一度法律事務所へ相談するのが賢明といえます。

会社での嫌がらせにお悩みの方は青山東京法律事務所へご相談ください

会社で嫌がらせを受けた場合は、適切な窓口へ相談することで、解決につながる可能性があります。まずは、状況を整理したうえで、社内に設置されている窓口や、総合労働相談コーナーに相談し、対応を求めましょう。

ただし、総合労働相談コーナーの助言・指導などには法的な強制力がないため、根本的な解決に至らないケースもあります。このような場合は、法律事務所や法テラスへ相談し、事案や利用条件を確認したうえで、慰謝料請求などの法的手続きを検討できます。

会社での嫌がらせにお困りの方は、労働問題の解決に強みを持つ青山東京法律事務所へご相談ください。初回面談を無料で実施しておりますので、トラブルの解決に向けて、まずは状況の整理から始めていきましょう。

監修者

植田統

植田 統   弁護士(第一東京弁護士会)

東京大学法学部卒業、ダートマス大学MBA、成蹊大学法務博士

東京銀行(現三菱UFJ銀行)で融資業務を担当。米国の経営コンサルティング会社のブーズ・アレン・アンド・ハミルトンで経営戦略コンサルタント。 野村アセットマネジメントでは総合企画室にて、投資信託協会で専門委員会委員長を歴任。その後、レクシスネクシス・ジャパン株式会社の日本支社長。 米国の事業再生コンサルティング会社であるアリックスパートナーズでは、ライブドア、JAL等の再生案件を担当。

2010年弁護士登録。南青山M's法律会計事務所を経て、2014年に青山東京法律事務所を開設。2018年、税理士登録。

現在、名古屋商科大学経営大学院(MBA)教授として企業再生論、経営戦略論の講義を行う他、Jトラスト株式会社(東証スタンダード市場)等数社の監査役も務める。

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